心疾患による障害の程度は、次により認定されます。
1 認定基準
「障害の程度と障害の状態」
心疾患による障害の程度は、呼吸困難、心悸亢進、尿量減少、夜間多尿、
チアノーゼ、浮腫等の臨床症状、X線、心電図等の検査成績、一般状態、
治療及び病状の経過等により、総合的に認定されるものです。
2 認定要領
(1) この節で掲げる心疾患とは、心臓だけではなく、血管を含む循環器疾患
を指すものです。(ただし、血圧については、「第8節 高血圧症による
障害」で触れますので除きます)
心疾患は大きく分けると、弁疾患、不整脈、虚血性心疾患、心筋疾患に
分けられ、それらは最終的に慢性心不全を発生するようになります。
(2) 心疾患の検査での異常所見等を一部示すと、次のとおりです。
区分 異 常 所 見 等
ア LevineV度以上の器質的雑音が認められるもの
イ 心胸郭比60%以上のもの
ウ 胸部X線所見で、肺野に明らかにうっ血像のあるもの
エ 心電図で、陳旧性心筋梗塞所見があり、かつ、今日まで狭心症状を
有するもの
オ 心電図で、脚ブロック所見があり、かつ、基礎疾患を有するもの
カ 心電図で、完全房室ブロック(第V度房室ブロック)所見または第U度
(MobitzU型)房室ブロック所見のあるもの
キ 安静時心電図で、0.2mV以上のSTの低下があるもの、若しくは、
深い陰性T波の所見のあるもの
ク 負荷心電図で、明らかな陽性所見のあるもの
ケ 難治性の不整脈のあるもの
コ 左室駆出率(EF)が50%以下のもの
サ 冠れん縮を証明されたもの
シ 心臓ペースメーカーを装着したもの
ス 人工弁を装着したもの
(3) 前記(2)のいずれか一つ以上の異常所見等と浮腫、息切れ等の臨床
所見があり、かつ、一般状態区分表のウまたはイに該当するものは、
3級と認定されます。なお、病状をあらわす主要症状、一般検査及び
特殊検査の検査成績、具体的な日常生活状況(一般状態区分)等に
よっては、さらに上位等級に認定されます。
(4) 拡張型心筋症での各等級に相当すると認められるものを一部例示する
と次のとおりです。
障害の程度と状態
【1級】 前記(2)の「コ」の左室駆出率(EF)の検査成績が30%以下を示す
もので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
【2級】 前記(2)の「コ」の左室駆出率(EF)の検査成績が40%以下を示す
もので、かつ、一般状態区分表のエまたはウに該当するもの
【3級】 前記(2)の「コ」の左室駆出率(EF)の検査成績が50%以下を示す
もので、かつ、一般状態区分表のウまたはイに該当するもの
なお、拡張型心筋症の程度の判定に当たっては、左室駆出率(EF)に
よるほか、主要症状、心電図、胸部X線検査等の検査成績も参考とし、
認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定されます。
(6) 心臓ペースメーカー(植込み型除細動器(ICD)を含む)または人工弁を
装着したものについては、原則として次により取り扱われます。
ア 心臓ペースメーカーまたは人工弁を装着したものは3級と認定されます。
なお、術後の経過及び予後、原疾患の性質等により総合的に判断し、
さらに上位等級に認定されます。
イ 障害の程度が認定される時期は、心臓ペースメーカーまたは人工弁を
装着した日(初診日から起算して1年6月以内の日に限る)となります。
(7) 各疾患によって、用いられる検査が異なっており、また、特殊検査も多い
ため、診断書上に適切に病状をあらわしていると思われる検査成績が記載
されているときは、その検査成績も参考とし、認定時の具体的な日常生活
状況等を把握して、総合的に認定されます。
2005年11月18日
第2節 心疾患による障害
posted by オカタツ at 18:01| 第2節 心疾患による障害