(3)発病日について
昭和61年4月に実施された年金制度改正より前の厚生年金制度では、
疾病にかかりまたは負傷した日(以下「発病日」といいます)において、
厚生年金に加入していることが、障害年金を受給するための要件と
されていました。
つまり、昭和61年3月以前の「資格要件」をみる上でのキーポイントは、
現在のように“初診日”ではなく、“発病日”とされていたわけです。
ただし、「納付要件」をみる上でのキーポイントになるのは、具体的な
日付を特定することが難しい“発病日”ではなく、“初診日”となります。
なお、初診日が昭和61年3月以前の場合は、現行制度とは「納付要件」
が異なりますので、ご注意ください。
一般的に傷病の発病時期は、自覚的、他覚的に症状が認められたときと
するのが原則です。
ただし、先天性の傷病にあっては、潜在的な発病が認められたとしても
通常に勤務していた場合は、症状が自覚されたとき、あるいは検査で
異常が発見されたときをもって発病とされます。
具体的には次のような場合が発病日とされます。
@ 医師の診療を受ける前に本人の自覚症状が現れた場合
――― その日
A 自覚症状が現れずに医師の診療を受けた場合 ――― 初診日
B 慢性的疾患(糖尿病、腎不全等)のように、傷病の病歴が
引き続いている場合 ――― 最も古い発病日
C 過去の傷病が治癒(社会的治癒を含む)し再発した場合
――― 再発した日
D 健康診断で異常が発見された場合 ――― 健康診断日
E 事故の場合 ――― 事故が発生した日
F 鉱山または石工等の業務に従事した厚生年金の被保険者
期間があるじん肺症(じん肺結核を含む)の場合
――― 被保険者期間中の発病とされる
※じん肺症は、永年にわたり鉱山または石工等の業務に従事し、
珪石粉塵を徐々に吸入した結果発する業務上の疾病です。
なお、確認資料として、労働基準局発行のじん肺管理区分決定
通知書及びじん肺健康診断結果証明書の添付が必要です。
G 先天性心疾患、網膜色素変性症等で、具体的な症状が
出現した場合 ――― その日
H 先天性股関節脱臼で、青年期以降になって変形性股関節症が
発症した場合 ――― 症状が発症した日
※先天性股関節脱臼で、完全脱臼のまま成育した場合は、厚生
年金の被保険者期間外の発病となります。
2005年10月18日
初診日と発病日 その3
posted by オカタツ at 02:11| Comment(0)
| 初診日と発病日
2005年10月14日
初診日と発病日 その2
(2)因果関係について
前の疾病または負傷がなかったならば、後の疾病(負傷は含まれません)
が起こらなかったであろうと認められる場合は、「因果関係あり」とみて、
前後の傷病は同じ傷病として取り扱われます。
したがって、「因果関係あり」の場合は、前の傷病の“初診日”がキー
ポイントとなります。
また、前後の傷病に因果関係が認められない場合は、「因果関係なし」と
みて、前後の傷病は別の傷病として取り扱われます。
したがって、「因果関係なし」の場合は、後の疾病の“初診日”がキー
ポイントとなります。
これらの一部を例示すると、次のようなものがあります。
1.「因果関係あり」として取り扱われるもの
前の傷病 ――― 後の疾病
@ 糖尿病 ――― 三大合併症(糖尿病性 網膜症・腎症・神経障害)
糖尿病性動脈閉塞症 等
A ネフローゼを含む糸球体腎炎 ――― 慢性腎不全(※1)
多発性のう胞腎、腎盂腎炎
B 肝 炎 ――― 肝硬変
C 結核の化学療法による副作用 ――― 聴力障害
D 手術等による輸血 ――― 肝 炎
E ステロイドの投薬による副作用 ――― 大腿骨頭無腐性壊死
F 事故または脳血管疾患 ――― 精神障害
G 肺疾患の手術 ――― 呼吸不全(※1)
H 原発性悪性新生物 ――― 転移性悪性新生物(※2)
(※1) 前後の期間が長い場合も含まれます。
(※2) 原発巣と組織上一致することが確認できたものに限ります。
2.「因果関係なし」として取り扱われるもの
前の傷病 ―×― 後の疾病
@ 高血圧 ―×― 脳内出血または脳梗塞
A 近 視 ―×― 黄斑部変性、網膜剥離または視神経萎縮
前の疾病または負傷がなかったならば、後の疾病(負傷は含まれません)
が起こらなかったであろうと認められる場合は、「因果関係あり」とみて、
前後の傷病は同じ傷病として取り扱われます。
したがって、「因果関係あり」の場合は、前の傷病の“初診日”がキー
ポイントとなります。
また、前後の傷病に因果関係が認められない場合は、「因果関係なし」と
みて、前後の傷病は別の傷病として取り扱われます。
したがって、「因果関係なし」の場合は、後の疾病の“初診日”がキー
ポイントとなります。
これらの一部を例示すると、次のようなものがあります。
1.「因果関係あり」として取り扱われるもの
前の傷病 ――― 後の疾病
@ 糖尿病 ――― 三大合併症(糖尿病性 網膜症・腎症・神経障害)
糖尿病性動脈閉塞症 等
A ネフローゼを含む糸球体腎炎 ――― 慢性腎不全(※1)
多発性のう胞腎、腎盂腎炎
B 肝 炎 ――― 肝硬変
C 結核の化学療法による副作用 ――― 聴力障害
D 手術等による輸血 ――― 肝 炎
E ステロイドの投薬による副作用 ――― 大腿骨頭無腐性壊死
F 事故または脳血管疾患 ――― 精神障害
G 肺疾患の手術 ――― 呼吸不全(※1)
H 原発性悪性新生物 ――― 転移性悪性新生物(※2)
(※1) 前後の期間が長い場合も含まれます。
(※2) 原発巣と組織上一致することが確認できたものに限ります。
2.「因果関係なし」として取り扱われるもの
前の傷病 ―×― 後の疾病
@ 高血圧 ―×― 脳内出血または脳梗塞
A 近 視 ―×― 黄斑部変性、網膜剥離または視神経萎縮
2005年10月11日
初診日と発病日 その1
「障害年金の受給要件 その1」で初診日についての具体例を示しましたが、
“初診日”は「資格要件」と「納付要件」をみる上でのキーポイントとなります。
例えば、ある疾病(仮に“A病”とします)の初診日(と思っていた日)以前に
かかっていた疾病(仮に“B病”とします)があったときに、A病とB病の間に
何らかの因果関係がある場合は、A病の初診日ではなく、B病の初診日が
キーポイントになることがあるのです。
初診日が変わると、必然的に「資格要件」と「納付要件」も違ってきます。
もしかすると、A病の初診日には厚生年金に加入していた人が、B病の
初診日には国民年金加入者だったり、あるいは保険料未納だったりする
こともあるかも知れません。また、その逆の例もあることでしょう。
このように、初診日の違いが障害年金を受給できるかどうかの「運命の
分かれ道」となることも、十分あり得るのです。
今回から3回シリーズで、“初診日”に関連した事項についてお届けします。
なお、このシリーズで取り上げる内容は、「内部疾患」に限ったものでは
ありません。
(1)再発または継続について
@ 再発とは
過去の傷病が治ったのち再び悪化した場合をいい、過去の傷病とは別の
傷病として取り扱われます。
なお、医学的に治っていないと認められる場合であっても、「社会的
治癒(※)」が認められる場合は「再発」として取り扱われます。
したがって、「再発」の場合は、再び悪化したときの“初診日”がキー
ポイントとなります。
A 継続とは
過去の傷病が治っていないと認められる場合をいい、過去の傷病と同じ
傷病として取り扱われます。
したがって、「継続」の場合は、過去の傷病の“初診日”がキーポイント
となります。
(※)社会的治癒とは
医療を行う必要がなくなり、無症状で医療を受けることなく相当期間
(傷病にもよりますが、少なくとも5年以上)経過している場合をいいます。
したがって、薬治下にある場合には、一般社会における労働に従事して
いる状態にあっても社会的治癒とは認められません。
また、治療の必要がありながら単に経済的理由などによって医療を受け
ないものについては、たとえ社会復帰していたとしても、社会的治癒が
あったとは認められません。
“初診日”は「資格要件」と「納付要件」をみる上でのキーポイントとなります。
例えば、ある疾病(仮に“A病”とします)の初診日(と思っていた日)以前に
かかっていた疾病(仮に“B病”とします)があったときに、A病とB病の間に
何らかの因果関係がある場合は、A病の初診日ではなく、B病の初診日が
キーポイントになることがあるのです。
初診日が変わると、必然的に「資格要件」と「納付要件」も違ってきます。
もしかすると、A病の初診日には厚生年金に加入していた人が、B病の
初診日には国民年金加入者だったり、あるいは保険料未納だったりする
こともあるかも知れません。また、その逆の例もあることでしょう。
このように、初診日の違いが障害年金を受給できるかどうかの「運命の
分かれ道」となることも、十分あり得るのです。
今回から3回シリーズで、“初診日”に関連した事項についてお届けします。
なお、このシリーズで取り上げる内容は、「内部疾患」に限ったものでは
ありません。
(1)再発または継続について
@ 再発とは
過去の傷病が治ったのち再び悪化した場合をいい、過去の傷病とは別の
傷病として取り扱われます。
なお、医学的に治っていないと認められる場合であっても、「社会的
治癒(※)」が認められる場合は「再発」として取り扱われます。
したがって、「再発」の場合は、再び悪化したときの“初診日”がキー
ポイントとなります。
A 継続とは
過去の傷病が治っていないと認められる場合をいい、過去の傷病と同じ
傷病として取り扱われます。
したがって、「継続」の場合は、過去の傷病の“初診日”がキーポイント
となります。
(※)社会的治癒とは
医療を行う必要がなくなり、無症状で医療を受けることなく相当期間
(傷病にもよりますが、少なくとも5年以上)経過している場合をいいます。
したがって、薬治下にある場合には、一般社会における労働に従事して
いる状態にあっても社会的治癒とは認められません。
また、治療の必要がありながら単に経済的理由などによって医療を受け
ないものについては、たとえ社会復帰していたとしても、社会的治癒が
あったとは認められません。