「血液・造血器疾患における障害認定基準が3つに区分される」ことを
「その2」で示しましたが、障害等級の認定に際しては、3つの各群に
例示されていた“病名だけ”で判断されるわけではありません。
つまり「○○病だから必ず障害等級に該当する」とは限らないのです。
血液・造血器疾患の認定基準では、次のように記されています。
『血液・造血器疾患による障害の程度は、自覚症状、他覚所見、検査
成績、一般状態、治療及び症状の経過等(薬物療法による症状の消長
の他、薬物療法に伴う合併症等)、具体的な日常生活状況等により、
総合的に認定する』
造血器腫瘍群に属する「悪性リンパ腫」を例に挙げてみます。
悪性リンパ腫とは、白血球の中のリンパ球が“がん化”した悪性腫瘍で
あり、病理組織検査等によって様々なタイプに分類されます。
タイプによって悪性度も異なり、また、病気の拡がり(病期)によって
T期からW期の4段階に分類されます。
たとえば、「濾胞(ろほう)性リンパ腫」という悪性度の低いリンパ腫で、
病期が初期の例では、比較的予後もよく、労働や日常生活に影響を
及ぼすような重篤な状態には至らない場合があります。
そのような例では「悪性リンパ腫という病名、即ち障害等級に該当」
とはならないわけです。
このような考え方は、「血液・造血器疾患による障害」に限ったこと
ではなく、その他の部位の障害認定基準についても同様です。
同じ病名でも、検査成績や日常生活状態等によって、障害等級に
該当する場合と該当しない場合がある、ということが、障害年金
(特に内部疾患における障害年金)の請求を難しくしている要因の
一つだと思われます。
この問題を解決するために、医師を始めとした医療関係者と
年金の専門家(すべての方が詳しいわけではないですが)である
社労士とが、互いの不得手な部分を補い合って協力することが、
患者さんにとっても理想的なのではないでしょうか。
2005年08月27日
2005年08月25日
検査技師時代を振り返って その2
今日のお話は、かなりマニアック(?)な内容になりますことを、最初に
お断りしておきます。
前回「その1」で、「午前中は血液・尿検査、救急の生化学検査でてんてこ
舞いしていた」ことをお話ししましたが、毎日ルーチンワークに翻弄され
続けていたわけではなく、遣り甲斐のある充実した時間もありました。
臨床検査の分野では「血液検査」の一部になりますが、顕微鏡で血液像を
観察する時間がそれです。
私が勤めていた病院には、数名ずつながら常時、白血病を始めとした血液・
造血器疾患の患者さんが入院されていましたし、定期的に外来でフォロー
されている患者さんもいらっしゃいました。そのような患者さんの血液像は、
治療効果の判定に直結することもあるので、より慎重な観察が必要であった
ことはいうまでもありません。
私が“検査技師として”経験してきた症例を思いつくままに挙げてみると、
次のようなものがあります。
急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、成人T細胞性白血病、
慢性骨髄性白血病(急性転化を含む)、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、
再生不良性貧血、血小板減少性紫斑病 等々
ちなみに、血液・造血器疾患における障害認定基準は、次の3つに区分
されています。
ア 難治性貧血群(再生不良性貧血、溶血性貧血 等)
イ 出血傾向群(血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症 等)
ウ 造血器腫瘍群(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫 等)
つまり、私が“検査技師として”経験してきた症例の数々は、障害認定基準
の範疇に属するものであり、「障害状態要件」を満たしていた可能性が
十分あるわけです。
しかしながら「障害年金の請求をしよう」などという話は、(少なくとも
当時は)まったく聞いたことがありませんでした。強いて挙げるとしたら、
血小板減少性紫斑病や再生不良性貧血の患者さんに「特定疾患なので
医療費の公費負担の申請をしよう」という程度だったと記憶しています。
血液・造血器疾患での障害年金に関していえば、ある社労士さんから
「多発性骨髄腫の方の裁定請求を依頼されている」という羨ましい(?)
話を聞かされたことがあるくらいで、残念ながら、私自身が相談を受けた
経験は今のところありません。
(ちなみにその患者さんは、障害等級2級と認定されたそうです)
しかしながら、ゆくゆくは“検査技師として”ではなく、“社労士として”経験
した血液・造血器疾患の相談事例の数々を列挙したいものです!
お断りしておきます。
前回「その1」で、「午前中は血液・尿検査、救急の生化学検査でてんてこ
舞いしていた」ことをお話ししましたが、毎日ルーチンワークに翻弄され
続けていたわけではなく、遣り甲斐のある充実した時間もありました。
臨床検査の分野では「血液検査」の一部になりますが、顕微鏡で血液像を
観察する時間がそれです。
私が勤めていた病院には、数名ずつながら常時、白血病を始めとした血液・
造血器疾患の患者さんが入院されていましたし、定期的に外来でフォロー
されている患者さんもいらっしゃいました。そのような患者さんの血液像は、
治療効果の判定に直結することもあるので、より慎重な観察が必要であった
ことはいうまでもありません。
私が“検査技師として”経験してきた症例を思いつくままに挙げてみると、
次のようなものがあります。
急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、成人T細胞性白血病、
慢性骨髄性白血病(急性転化を含む)、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、
再生不良性貧血、血小板減少性紫斑病 等々
ちなみに、血液・造血器疾患における障害認定基準は、次の3つに区分
されています。
ア 難治性貧血群(再生不良性貧血、溶血性貧血 等)
イ 出血傾向群(血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症 等)
ウ 造血器腫瘍群(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫 等)
つまり、私が“検査技師として”経験してきた症例の数々は、障害認定基準
の範疇に属するものであり、「障害状態要件」を満たしていた可能性が
十分あるわけです。
しかしながら「障害年金の請求をしよう」などという話は、(少なくとも
当時は)まったく聞いたことがありませんでした。強いて挙げるとしたら、
血小板減少性紫斑病や再生不良性貧血の患者さんに「特定疾患なので
医療費の公費負担の申請をしよう」という程度だったと記憶しています。
血液・造血器疾患での障害年金に関していえば、ある社労士さんから
「多発性骨髄腫の方の裁定請求を依頼されている」という羨ましい(?)
話を聞かされたことがあるくらいで、残念ながら、私自身が相談を受けた
経験は今のところありません。
(ちなみにその患者さんは、障害等級2級と認定されたそうです)
しかしながら、ゆくゆくは“検査技師として”ではなく、“社労士として”経験
した血液・造血器疾患の相談事例の数々を列挙したいものです!
2005年08月23日
検査技師時代を振り返って その1
かれこれ7〜8年前までのことになりますが、臨床検査技師として
病院検査室に勤務していた頃のことをお話しします。
私が勤務していたのは、民間の中規模(100数十床程度)病院でした。
診療科目は内科がメインでしたから、呼吸器疾患、循環器疾患、腎疾患、
肝疾患、糖尿病、血液疾患等の患者さんが入院され、あるいは外来を
受診されていました。
単なる風邪のように短期間の外来診療で治ってしまう疾患の方から、
余命幾ばくもない“がん”末期の方まで、患者さんの重症度が様々で
あったのは言うまでもありません。
わが検査室は、検査技師2名だけ(後に3名)の貧弱(?)な部署でした。
緊急を要しないルーチンの生化学検査等は、検査センターに外注すると
いうシステムでしたから、もっぱら私がやっていたのは、血液検査、
尿検査、救急の生化学検査、輸血検査等でした。
午前中の外来患者さんの検査は「結果待ち」が多く、血液・尿検査と
生化学検査を至急で処理してデータを返さなければならず、毎日が
てんてこ舞いの状態でした。どこの検査室でも午前中の忙しさは
同じようなものでしょうが、小規模検査室に勤務されている方には、
特に実情をご理解いただけるのではないかと思います。
そんな当時を振り返って、ノスタルジックな思い出に浸ろう!…などと
いうことでは決してなく、その頃に現在のような障害年金の知識が兼ね
備わっていたらなぁと、今更ながら無念の思いでいっぱいなのです。
個人的な話で恐縮ですが、私のごく身近な人たちが「障害年金」のことを
まったく知らないまま(知らされないまま?)亡くなりました。
皆が厚生年金(あるいは共済年金)加入者でしたから、3級以上の障害
等級に該当すれば“障害年金受給”となるわけですが、障害認定基準と
照らし合わせて、少なくとも3級以上であることは明らかだったのです。
直腸癌と結腸癌でそれぞれ人工肛門を造設した2人の叔父、何年もの間
肝硬変で入退院を繰り返した叔父、B型肝炎から肝臓癌になり、何度も
肝臓にメスを入れた学生時代の恩師。肝硬変で亡くなった叔父以外は、
まだ中高生の子供をもった40歳代の働き盛りでした。
(ちなみに、4人とも「障害状態要件」以外の要件も満たしていました)
当然のことながら、今現在も多くの医療機関に内部疾患の患者さんが
入院され、あるいは外来を受診されていますが、どの患者さんも病状の
程度の差こそあれ、いわゆる「病気の人」「病人」という認識でしか
見られていないのではないでしょうか?
しかし実際には、年金制度でいうところの「障害」の状態に該当する方が
数多くいらっしゃるわけです。(周りがほとんど知らないだけで…)
患者さん本人が知らないのなら、周りにいる誰かに知っていて欲しい!
気付いて教えてあげて欲しい!と切望します。
そんな周りの誰かが、「内部疾患と障害年金」について認知していただく
切っ掛けになれば、私としては嬉しい限りです。
病院検査室に勤務していた頃のことをお話しします。
私が勤務していたのは、民間の中規模(100数十床程度)病院でした。
診療科目は内科がメインでしたから、呼吸器疾患、循環器疾患、腎疾患、
肝疾患、糖尿病、血液疾患等の患者さんが入院され、あるいは外来を
受診されていました。
単なる風邪のように短期間の外来診療で治ってしまう疾患の方から、
余命幾ばくもない“がん”末期の方まで、患者さんの重症度が様々で
あったのは言うまでもありません。
わが検査室は、検査技師2名だけ(後に3名)の貧弱(?)な部署でした。
緊急を要しないルーチンの生化学検査等は、検査センターに外注すると
いうシステムでしたから、もっぱら私がやっていたのは、血液検査、
尿検査、救急の生化学検査、輸血検査等でした。
午前中の外来患者さんの検査は「結果待ち」が多く、血液・尿検査と
生化学検査を至急で処理してデータを返さなければならず、毎日が
てんてこ舞いの状態でした。どこの検査室でも午前中の忙しさは
同じようなものでしょうが、小規模検査室に勤務されている方には、
特に実情をご理解いただけるのではないかと思います。
そんな当時を振り返って、ノスタルジックな思い出に浸ろう!…などと
いうことでは決してなく、その頃に現在のような障害年金の知識が兼ね
備わっていたらなぁと、今更ながら無念の思いでいっぱいなのです。
個人的な話で恐縮ですが、私のごく身近な人たちが「障害年金」のことを
まったく知らないまま(知らされないまま?)亡くなりました。
皆が厚生年金(あるいは共済年金)加入者でしたから、3級以上の障害
等級に該当すれば“障害年金受給”となるわけですが、障害認定基準と
照らし合わせて、少なくとも3級以上であることは明らかだったのです。
直腸癌と結腸癌でそれぞれ人工肛門を造設した2人の叔父、何年もの間
肝硬変で入退院を繰り返した叔父、B型肝炎から肝臓癌になり、何度も
肝臓にメスを入れた学生時代の恩師。肝硬変で亡くなった叔父以外は、
まだ中高生の子供をもった40歳代の働き盛りでした。
(ちなみに、4人とも「障害状態要件」以外の要件も満たしていました)
当然のことながら、今現在も多くの医療機関に内部疾患の患者さんが
入院され、あるいは外来を受診されていますが、どの患者さんも病状の
程度の差こそあれ、いわゆる「病気の人」「病人」という認識でしか
見られていないのではないでしょうか?
しかし実際には、年金制度でいうところの「障害」の状態に該当する方が
数多くいらっしゃるわけです。(周りがほとんど知らないだけで…)
患者さん本人が知らないのなら、周りにいる誰かに知っていて欲しい!
気付いて教えてあげて欲しい!と切望します。
そんな周りの誰かが、「内部疾患と障害年金」について認知していただく
切っ掛けになれば、私としては嬉しい限りです。