今回とシリーズ最終回の次回は、このブログのテーマであります「内部疾患」
に絞った形で、身体障害者手帳(以下「手帳」)と障害年金(以下「年金」)の
制度を対比させます。
【総論的要件】
順序が逆になりましたが、「その2」で【障害の種類】として列挙したうちの、
手帳と年金それぞれにおける「内部疾患の総論的な要件」を示します。
手帳:永続し、かつ日常生活が著しい制限を受ける程度であると認め
られるもの
家庭内での日常生活あるいは社会生活に生ずる支障の程度に
よって、1級、3級、4級(「ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能
障害」のみ2級あり)と認定されます。
年金:疾病の認定の時期以後、少なくとも1年以上の療養を必要と
するもの
日常生活あるいは労働が制限を受ける程度によって、1級、2級、
3級と認定されます。(なお、「その3」でも示しましたとおり、内部
疾患で「障害手当金」に該当することはありません)
【各論的要件】
手帳:「その2」で列挙したままを示します。
a)心臓機能障害(1、3、4級)
b)じん臓機能障害(1、3、4級)
c)呼吸器機能障害(1、3、4級)
d)ぼうこう、または直腸機能障害(1、3、4級)
e)小腸機能障害(1、3、4級)
f)ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害(1級 〜 4級)
※d)〜f)については、政令で定められています。
年金:「その2」で列挙した項目についての細分類並びに一定の基準が
示されている具体例を挙げます。
I 呼吸器疾患による障害
ア.肺結核 イ.じん肺 ウ.呼吸不全
J 心疾患による障害
(心臓だけでなく血管を含む循環器疾患で、血圧は除く)
ア.弁疾患 イ.不整脈 ウ.虚血性心疾患 エ.心筋疾患
〔具体例〕ペースメーカーまたは人工弁の装着 : 3級
K 腎疾患による障害
〔具体例〕人工透析療法施行 : 2級
L 肝疾患による障害
(主体となるのは肝硬変症及びそれに付随する病態で、慢性肝炎は
原則認定の対象外)
〔具体例〕GOT、GPTが長期間高値の慢性肝炎 : 3級
M 血液・造血器疾患
ア.難治性貧血群(再生不良性貧血、溶血性貧血 等)
イ.出血傾向群(血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症 等)
ウ.造血器腫瘍群(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫 等)
N 代謝疾患による障害
(主体となるのは糖尿病で、糖尿病合併症による障害は、それぞれの
部位の認定基準による ; 例えば目・神経系統・腎疾患の障害等)
〔具体例〕インスリンによるコントロールが不良の糖尿病 : 3級
O 悪性新生物による障害
ア.悪性新生物そのものにより生じる局所の障害
イ.悪性新生物そのものによる全身の衰弱または機能の障害
ウ.悪性新生物に対する治療の結果として起こる全身衰弱または
機能の障害
P 高血圧症による障害
〔具体例〕悪性高血圧症 : 1級
大動脈解離や大動脈瘤を合併した高血圧 : 3級
Q その他の疾患による障害
ア.腹部臓器・骨盤臓器の術後後遺症
イ.a)人工肛門の造設 : 3級
b)新膀胱の造設または尿路変更術の施行 : 3級
c)人工肛門の造設、かつ、新膀胱の造設または尿路変更術の
施行 : 2級
ウ.難病
エ.臓器移植
なお、今回示しました年金での内部障害(I〜Q)につきましては、今後
ご紹介する予定の「障害認定基準」のほんの一部で、“見出し”程度にしか
過ぎませんが、手帳の制度と比べて、明らかに多くの種類の内部障害が
網羅されていることをご理解いただけたのではないでしょうか。
2005年09月19日
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